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SpaceApps2020 翻訳 C-1) 人と共にある惑星 / Planet, With People

Space Apps 2020 チャレンジカテゴリー訳 - SpaceApps Japan ブログ
SpaceApps2020 翻訳 C) 維持せよ / Sustain - SpaceApps Japan ブログ
  > 当記事

原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/sustain/planet-people/details

概要:

あなたのチャレンジは、人口のマッピングの新しい手法の適用により、国際的な地球観測グループ(GEO)の「人類の惑星イニシアティブ」(Human Planet Initiative)を具体化させます。あなたが大事だと考える問題に対して、NASAやその他の機関が持つ惑星上の人類活動のデータをどうすれば役立てられるでしょうか?その方策を遂行するサービスかツールを作成・デザインしてください。

訳者注:Human Planet Initiativeは特に都市化に起因する問題に焦点を当てているようです。

Human Planet Initiative https://ghsl.jrc.ec.europa.eu/HPI.php

文部科学省 環境エネルギー課「地球観測に関する政府間会合(GEO)に関する最近の動向」第36回執行委員会、第37回執行委員会報告、平成28年8月25日 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/021-5/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/09/07/1376899_03.pdf

背景:

世界中の多くのグループが、「人類の惑星」(人間の居住地とそれに関連する人口とインフラストラクチャ)のマッピングを目的とした、時代や地域を超えて一貫性の高い新しいデータセットを開発してきました。これらのデータセットは、人々が住んでいる場所、建物・道路・その他のインフラストラクチャのパターンとタイプ、豪雨や洪水のリスクに影響を与える不浸透面の範囲(訳者注:アスファルトなど)、都市部/農村部の景観に関わるその他のあらゆる要素の情報を提供します。ただし、これらのグローバル規模のデータセットを利用して、ローカルおよび地域レベルのユーザーを支援する方法をいかに学ぶかは、依然として大きな課題です。ローカルな状況がグローバルデータの解釈と使用にどのように影響するか、またはグローバルスケールデータの検証・改善に使用できるローカルデータセットがあるかどうかという観点は、私たちがよく見落としていることです。もう1つの重要なニーズは、リモートセンシングからのデータを、ローカルユーザーに役立つ方法で要約および視覚化することです。たとえば、関連する管理ユニットまたは流域や通勤ゾーンなどのユニットによる要約テーブルやチャートの作成などです。

人々がどこに住んでいるか、そして彼らの居住地とインフラがどのようなものかを理解することは、さまざまな観点から重要な問題です。都市計画担当者は、インフラストラクチャを拡張または改善する場所に関する情報を必要としています。緊急時に対応する職員は、極端なイベントの影響を受ける可能性のある人の数を知る必要があります。公衆衛生の専門家は、予防接種や診療所へのより良いアクセスが必要な子供たちの数を知る必要があります。企業は市場へのアクセスを分析する必要があります。そして人道支援組織は、支援から取り残されるかもしれない人々を見つける必要があります。

リモートセンシングに基づくデータは、居住地、インフラストラクチャ、および人々に関するより一貫性のある最新のデータを提供できますが、多くのアプリケーションや決定に必要なすべての情報を必ずしも提供するわけではありません。リモートセンシングと信頼できるローカルデータを結合する革新的な方法は、政府、業界、市民社会のローカルユーザーが直面する課題に対処するのに役立つ可能性があります。

あなたのチャレンジは、災害、気候変動、公衆衛生、食糧、水、エネルギー資源、持続可能な開発の他の側面に関連する人間のニーズを誰もが理解し、満たすのに役立つ様に、人々をマッピングするための新しい方法(居住地、インフラストラクチャ、人口、活動)を適用することです。プロジェクトでは、「人間の惑星」のリモートセンシングデータを人間の社会や環境に関する他のタイプのデータとリンクして、人間と環境のシステム間の動的な相互作用をよりよく理解し、人々が危険にさらされ行動を起こす必要がある場所と時間に関する信頼できる情報を意思決定者などの実用するユーザーに提供する必要があります。

考慮事項の例:

  • ソリューションは、さまざまなデータソースを組み合わせて特定のタイプの決定またはユーザーをサポートする、またはユーザーがNASAやコミュニティからのその他のデータの有用性を高める方法で関連するローカルデータを収集するのに役立つ、新しいマッピングツールまたはインターフェイスの形をとることがあります。エンパワーメント。あるいは、プロジェクトは、クラウドソーシングと組み合わせて「人類の惑星」のデータを使用してニーズに対処したり、問題を解決したりする方法を見つけることで、既存のオープンソースプラットフォームを活用できます。
  • 作成するアプリケーションの種類について広く考えてください。モバイルプラットフォーム上のスタンドアロンアプリケーションに限定されません。ブラウザまたはサードパーティ環境に実装されたインタラクティブツールやバックエンドサービスを利用することもできます。
  • ユーザーのニーズを明確に特定することは、ターゲットユーザーの期待に応える最良の方法であり、このチャレンジの重要なステップです。たとえば、マッピングはローカルユーザーや意思決定者に関連するデータや情報を作成するための重要な方法ですが、必ずしもツールやデータを地図上に提示する必要があることを意味するわけではありません。他の手法での要約や可視化は、一部のユーザーにとってより意味がある場合があります。場合によっては、完全に新しいツールを作成するよりも、ユーザーがすでに使用しているツールまたはシステムを拡張する方がよい場合もあります。
  • たとえば、リモートセンシングは、洪水、地震、またはその他の危険にさらされたときに建物がどれほど強力または脆弱であるかを示す重要な指標を提供できます。一方、ローカルなデータや観測は、その建物に誰が住み・働いているか、建物が地域や国の建築基準法を満たしているかどうか、災害の影響を増加/減少させる特異な要素があるか、といったことを理解するのに最も役立ちます。COVID-19のパンデミックの場合のように、都市の密度、人口の移動、および医療施設へのアクセスとともに、人口の年齢構成もまた病気の伝染と影響に重要な役割を果たす可能性があります。これらのさまざまなタイプのデータをより簡単かつ迅速に収集、更新、検証、統合して、より有用なものにするにはどうすればよいでしょうか。
  • ターゲットとする問題とユーザーを選択する際には、幅広いユーザーを対象とするのではなく、特定の課題とユーザーのタイプや特定の地理的領域に焦点を絞ることが理にかなっている場合があります。 これにより、関連するローカルデータの検索、特定の課題への対処、潜在的な影響の文書化に関して、より創造的になることができます。 潜在的なユーザーの人数は、認識や決定に影響を与えるアプリの潜在的な機能性ほど重要ではありません。
  • このチャレンジの参加者は、「人類の惑星」をテーマにしたNASAや他の組織からのさまざまなオープンソースデータと関連データサービスを利用できます。