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SpaceApps2020 翻訳 F-4) 地球科学のためのデータ探査 / Data Discovery for Earth Science

Space Apps 2020 チャレンジカテゴリー訳 - SpaceApps Japan ブログ
SpaceApps2020 翻訳 F) つなげよ / Connect - SpaceApps Japan ブログ
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原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/connect/data-discovery-earth-science/details

概要:

NASAの地球観測ページのようなウェブサイトは、興味深い自然現象を際立たせる様々な形での衛星データの利用の見本市です。このチャレンジでは、ある特定のイベントを調べたいユーザーに対して適切なデータセットへと導くための技術やツールを工夫することが求められます。

背景:

多くの研究者(特に若手と市民科学者)は、自然災害(火山の噴火、山火事、地震、洪水など)などの特定のユースケースを研究することから地球科学研究へ入っていきます。この目的のために、NASAの地球観測ウェブサイトから入手できるようなコレクションは、これらの自然の出来事を理解しようとしている研究者にとって素晴らしいリソースです。 このウェブサイトは、さまざまな地球科学現象に関する画像やストーリーを公開することで、衛星データのさまざまな用途を紹介しています。このウェブサイトに公開されているデータの可視化は、対象分野の専門家によって基礎となる科学データから手動で作成されます

調査プロセスの次のステップは、現象に関連する科学データセットを使用してユースケースを詳しく調べることです。たとえば、火山の場合、関連するデータセットエアロゾルまたは地表面温度の情報であったりします。ただし、これらのデータセットを見つけることは、訓練を受けた研究者以外の誰にとっても時間のかかるステップです。なぜなら、NASAの地球科学データアーカイブは、5億を超えるファイルを含む6,000を超えるデータセットを保持しているからです。これらのファイル自体は、数十または数百ものデータ変数(または「パラメーター」)で構成されている場合があります。現在そのようなデータをより深く調べたい学生と市民科学者はNASAの膨大なアーカイブ内で自分自身を検索する必要があります。

あなたのチャレンジは、地球科学データセットの推奨者を考案して、地球観測所の画像や説明に示されているようなイベントを研究するための関連データセットにユーザーを導くことです。研究者が地球科学のイベントを詳細に研究するためにデータを検索、収集、準備するのにかかる時間を最小限に抑えるにはどうすればよいでしょうか。

考慮事項の例:

関連する科学データによりキュレーションされた現象の情報は、研究者がその現象を研究するためにデータセットを検索および収集する負担が大幅に軽減され、科学的考察に集中できるようになります。多くの場合、自然現象は災害や被害に関連しているため、関連するデータセットを見つける時間を短縮することには、自然災害時の対応時間を短縮するなど、多くの利点があります。 クリエイティブに!机上のソリューションの例としては、NASAの地球観測ウェブサイトのイベントページなどを拡張するブックマークレットJavaScriptコードの一種)、Webブラウザ拡張機能クラウドベースまたはWebベースのマイクロサービスなどがあります。 現在、地球観測データセットをリコメンドするサービスはありません。データの検索は、時間とスペースの制約が追加されたキーワードマッチングによって行われます。機械学習自然言語処理NLP)を使用して、研究者がNASAのような地球科学データカタログを検索できるようにするにはどうすればよいでしょうか。 NLPは、NASAの地球観測ウェブサイトなどの文章とキャプションから空間的および時間的範囲を識別し、NASAのEarthdataSearchなどのカタログにリンクすることができます。 ソリューションに対する具体的なニーズと要望は何ですか?望まないことも考慮してください。 ソリューションでは、関連性をランク付けするレコメンデーションサービスを構築するために、NASAの地球観測ウェブサイトなどから現象の説明、場所、日付、タグなどを取得し、利用可能なメタデータNASAの共通メタデータリポジトリなど)とともに検討してみると良いです。これらNASAのサービスを利用して、ブックマークレットのような形式のWebアプリケーションを作成できますか?研究者が始めた元のウェブページからリンクするためのツールをどのように表示できますか? ソリューションを際立たせる機能、つまり「アドオン」は何ですか? 精度を高めるために、画像マッチングを使用して、ファイル内で最も可能性の高いデータセットと変数(パラメーター)をターゲットにすることを検討してください。 特定の現象(ほこり、洪水)に推奨されるリソースは、チャレンジのウェブサイトの[リソース]タブにあります。ただし、追加データを見つけるには、次のキーワードを検索してください:SNPP VIIRS、Landsat OLI、MODIS、MODIS Aqua、TRMM rainfall。

SpaceApps2020 翻訳 C-1) 人と共にある惑星 / Planet, With People

Space Apps 2020 チャレンジカテゴリー訳 - SpaceApps Japan ブログ
SpaceApps2020 翻訳 C) 維持せよ / Sustain - SpaceApps Japan ブログ
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原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/sustain/planet-people/details

概要:

あなたのチャレンジは、人口のマッピングの新しい手法の適用により、国際的な地球観測グループ(GEO)の「人類の惑星イニシアティブ」(Human Planet Initiative)を具体化させます。あなたが大事だと考える問題に対して、NASAやその他の機関が持つ惑星上の人類活動のデータをどうすれば役立てられるでしょうか?その方策を遂行するサービスかツールを作成・デザインしてください。

訳者注:Human Planet Initiativeは特に都市化に起因する問題に焦点を当てているようです。

Human Planet Initiative https://ghsl.jrc.ec.europa.eu/HPI.php

文部科学省 環境エネルギー課「地球観測に関する政府間会合(GEO)に関する最近の動向」第36回執行委員会、第37回執行委員会報告、平成28年8月25日 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/021-5/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/09/07/1376899_03.pdf

背景:

世界中の多くのグループが、「人類の惑星」(人間の居住地とそれに関連する人口とインフラストラクチャ)のマッピングを目的とした、時代や地域を超えて一貫性の高い新しいデータセットを開発してきました。これらのデータセットは、人々が住んでいる場所、建物・道路・その他のインフラストラクチャのパターンとタイプ、豪雨や洪水のリスクに影響を与える不浸透面の範囲(訳者注:アスファルトなど)、都市部/農村部の景観に関わるその他のあらゆる要素の情報を提供します。ただし、これらのグローバル規模のデータセットを利用して、ローカルおよび地域レベルのユーザーを支援する方法をいかに学ぶかは、依然として大きな課題です。ローカルな状況がグローバルデータの解釈と使用にどのように影響するか、またはグローバルスケールデータの検証・改善に使用できるローカルデータセットがあるかどうかという観点は、私たちがよく見落としていることです。もう1つの重要なニーズは、リモートセンシングからのデータを、ローカルユーザーに役立つ方法で要約および視覚化することです。たとえば、関連する管理ユニットまたは流域や通勤ゾーンなどのユニットによる要約テーブルやチャートの作成などです。

人々がどこに住んでいるか、そして彼らの居住地とインフラがどのようなものかを理解することは、さまざまな観点から重要な問題です。都市計画担当者は、インフラストラクチャを拡張または改善する場所に関する情報を必要としています。緊急時に対応する職員は、極端なイベントの影響を受ける可能性のある人の数を知る必要があります。公衆衛生の専門家は、予防接種や診療所へのより良いアクセスが必要な子供たちの数を知る必要があります。企業は市場へのアクセスを分析する必要があります。そして人道支援組織は、支援から取り残されるかもしれない人々を見つける必要があります。

リモートセンシングに基づくデータは、居住地、インフラストラクチャ、および人々に関するより一貫性のある最新のデータを提供できますが、多くのアプリケーションや決定に必要なすべての情報を必ずしも提供するわけではありません。リモートセンシングと信頼できるローカルデータを結合する革新的な方法は、政府、業界、市民社会のローカルユーザーが直面する課題に対処するのに役立つ可能性があります。

あなたのチャレンジは、災害、気候変動、公衆衛生、食糧、水、エネルギー資源、持続可能な開発の他の側面に関連する人間のニーズを誰もが理解し、満たすのに役立つ様に、人々をマッピングするための新しい方法(居住地、インフラストラクチャ、人口、活動)を適用することです。プロジェクトでは、「人間の惑星」のリモートセンシングデータを人間の社会や環境に関する他のタイプのデータとリンクして、人間と環境のシステム間の動的な相互作用をよりよく理解し、人々が危険にさらされ行動を起こす必要がある場所と時間に関する信頼できる情報を意思決定者などの実用するユーザーに提供する必要があります。

考慮事項の例:

  • ソリューションは、さまざまなデータソースを組み合わせて特定のタイプの決定またはユーザーをサポートする、またはユーザーがNASAやコミュニティからのその他のデータの有用性を高める方法で関連するローカルデータを収集するのに役立つ、新しいマッピングツールまたはインターフェイスの形をとることがあります。エンパワーメント。あるいは、プロジェクトは、クラウドソーシングと組み合わせて「人類の惑星」のデータを使用してニーズに対処したり、問題を解決したりする方法を見つけることで、既存のオープンソースプラットフォームを活用できます。
  • 作成するアプリケーションの種類について広く考えてください。モバイルプラットフォーム上のスタンドアロンアプリケーションに限定されません。ブラウザまたはサードパーティ環境に実装されたインタラクティブツールやバックエンドサービスを利用することもできます。
  • ユーザーのニーズを明確に特定することは、ターゲットユーザーの期待に応える最良の方法であり、このチャレンジの重要なステップです。たとえば、マッピングはローカルユーザーや意思決定者に関連するデータや情報を作成するための重要な方法ですが、必ずしもツールやデータを地図上に提示する必要があることを意味するわけではありません。他の手法での要約や可視化は、一部のユーザーにとってより意味がある場合があります。場合によっては、完全に新しいツールを作成するよりも、ユーザーがすでに使用しているツールまたはシステムを拡張する方がよい場合もあります。
  • たとえば、リモートセンシングは、洪水、地震、またはその他の危険にさらされたときに建物がどれほど強力または脆弱であるかを示す重要な指標を提供できます。一方、ローカルなデータや観測は、その建物に誰が住み・働いているか、建物が地域や国の建築基準法を満たしているかどうか、災害の影響を増加/減少させる特異な要素があるか、といったことを理解するのに最も役立ちます。COVID-19のパンデミックの場合のように、都市の密度、人口の移動、および医療施設へのアクセスとともに、人口の年齢構成もまた病気の伝染と影響に重要な役割を果たす可能性があります。これらのさまざまなタイプのデータをより簡単かつ迅速に収集、更新、検証、統合して、より有用なものにするにはどうすればよいでしょうか。
  • ターゲットとする問題とユーザーを選択する際には、幅広いユーザーを対象とするのではなく、特定の課題とユーザーのタイプや特定の地理的領域に焦点を絞ることが理にかなっている場合があります。 これにより、関連するローカルデータの検索、特定の課題への対処、潜在的な影響の文書化に関して、より創造的になることができます。 潜在的なユーザーの人数は、認識や決定に影響を与えるアプリの潜在的な機能性ほど重要ではありません。
  • このチャレンジの参加者は、「人類の惑星」をテーマにしたNASAや他の組織からのさまざまなオープンソースデータと関連データサービスを利用できます。

SpaceApps2020 翻訳 B-3) 歴史的電子地球 / Mission to Planet Earth: A Digital History

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SpaceApps2020 翻訳 B) 伝達せよ / Inform - SpaceApps Japan ブログ
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原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/inform/mission-planet-earth-digital-history/details

概要:

NASAの宇宙での活動は地球に関する新たな知識をもたらし、この惑星と人類について新たな考え方の種となってきました。しかしながら、他の惑星と比べると、多くの人々はNASAの地球研究について気付いていません。あなたのチャレンジは、デジタル機器を使いNASAの地球科学活動の話を伝えることです。このチャレンジはあなたの技術力だけでなく、歴史家や教師の様に考える力も試します。

背景:

宇宙計画の初期から、人類の宇宙への冒険は地球についての新しい知識をもたらしてきました。たとえば、地球を周回する衛星は、私たちの変化する人間・自然環境を観察することを可能にしました。この地球科学データには、多くの科学的および商業的用途があります。

地球科学はまた人々にこの惑星についての考えを改めるよう促してきました。宇宙から送り返された地球の画像や物語は、私たちの共通の人間性や相互依存する地球の生態系を考えるように、何世代にもわたる世界中の人々を動かしてきました。現在、NASAの地球科学部門は、宇宙と地上の両方のセンサーを運用しており、気候変動やCOVID-19といった世界の最重要課題に取り組むための重要なデータを提供しています。

デジタルツールは、人々がNASAの地球科学の遺産について学び、よりよく理解するのに役立ちます。アプリ、ゲーム、その他のインタラクティブメディアは、学生や一般の人々を教育するための強力な方法です。 COVID-19により学校や美術館へのアクセスが制限されている今日では、このようなツールはこれまで以上に重要になっています。デジタルツールは、NASAの施設を訪れる機会がないかもしれない人々にも届きます。

あなたのチャレンジは、インタラクティブなデジタルツールを使用して、NASA地球科学の物語(その歴史または進行中の作業)を伝えることです。構築するテクノロジー、伝えるストーリー、およびこれらのストーリーを伝える方法はすべて等しく重要です。使用できる形式には、アプリ、ゲーム、デジタルエクスペリエンス(VR / AR、バーチャルツアーなど)、またはユーザーが利用できるWebサイト(地図や拡張可能なタイムラインなど)が含まれます。収集したデータを使用することもできますが、独自の調査を行うことをお勧めします。

考慮項目の例:

  • トピックの選択
    • 大局的なストーリーを語ったり、1つのイベント、人、テクノロジー、ミッションなどに焦点を当てたりすることができます。
    • よく知られているトピックの新しい解釈を提供するか、あまり知られていないトピックを紹介するかを選択できます。
    • 途中で経験した課題、失敗、挫折を探りながら、成功を強調することができます。
    • 特にあなたの母国における宇宙機関やその他のパートナーとNASAとのコラボレーションを検討することができます。
  • デジタルツールの開発
    • プロジェクトはインタラクティブで没入型である必要があります。
    • テキスト、画像、ビデオ、または音声を組み込むことができます。
    • 地球観測は長年、芸術活動に影響を与えてきたので、自分の作品を含め、アートをストーリーテリングに組み込むことができます。
    • 自分のものではないテキスト、画像、ビデオ、サウンド、またはアートワークを使用する場合は、使用権の確認を忘れないでください。
  • あなたの物語を語る
    • 歴史家(トピックが歴史的である場合)または教育者(トピックが現在のものである場合)のように考えてください。重要なこととその理由について慎重に決定してください。証拠を比較検討し、アプローチを説明します。
    • 次のような問いを検討してください。
      • 宇宙における技術と活動は、私たちが地球について知っていることをどのように変えましたか?宇宙から地球科学を行うことのユニークな点は何ですか?
      • 地球科学を前進させる主な要因は何でしたか?どのような人、場所、出来事がこの物語の一部となるべきですか?どのようなアイデア、動き、またはブレークスルーがこれらの取り組みを可能にし、人々にそれらに投資するように説得しましたか?
      • NASAの歴史において、地球科学はどのような役割を果たしてきましたか?NASAの組織の内外両方で、何か紆余曲折なことはありましたか?
      • 「Earthrise」の画像やLandsatなど、有名なアーティファクトについて伝える新しいストーリーはありますか?あまり知られていないマイルストーンを強調できますか? 未だ「隠された人物(Hidden Figure)」である重要な人々はいますか?
      • 地球科学は人間の文化にどのような影響を与えましたか?地球観測は、人々が過去、現在、さらには未来を理解する方法をどのように変えましたか?
      • 地球科学の研究は他の分野でどのように応用されてきましたか?地球科学はどのようにして宇宙科学を促進しましたか?
      • 重要な瞬間にどのように到達したかを説明するコンテキストまたはバックストーリーは何ですか?
      • NASAの文書と関係者の証言は、重要な決定について、また、NASAが地球科学における自身の役割をどのように理解したかについて私たちに何を教えていますか?
      • 地球科学のバックグラウンドを持たない人に、どのようにトピックを紹介しますか?
      • 地球についての考えとそれを研究することの価値は時間とともにどのように変化しましたか?地球科学者の関心は時間とともにどのように変化しましたか?

SpaceApps2020 翻訳 B-2) 全自動災害検出機 / Automated Detection of Hazards

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原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/inform/automated-detection-hazards/details

概要:

洪水、火災、赤潮といった数え切れない現象は日常的に自然環境や経済、そして人々の安全に影響を与えています。あなたのチャレンジは、そういった現象の影響や範囲を研究者や意思決定者がより良く理解できるように、衛星データを使いある特定の現象を検出する機械学習モデルを作り、付随するデータと共に表示するインターフェースを構築することです。

背景:

災害などの自然現象は、私たちの生態系、経済、安全に大きな影響を与える可能性があります。気象イベントは、公共の安全に多くの影響を与えます。地球観測は、その場所、範囲、期間、および潜在的な影響を特定するためによく使用されます。たとえば、熱帯低気圧の劇的な画像は、嵐の大きさと強さを理解するために使用されます。強風や雷雨は、広範囲において視界の制限や地域の健康に影響を与える粉塵を生み出す可能性があります。いくつかのシナリオでは、弱い風から穏やかな風が、視界を制限する低い雲や霧の広範な発達を可能にし、飛行機の操縦や自動車の運転に影響を与えます。大雨は、数日または数週間続く洪水状態を引き起こす急速な融雪やその他の要因につながる可能性があります。激しい雷雨は、作物や他の植生に目に見える損傷を与える有害な風・雹・竜巻を生み出す可能性があります。

研究者が詳細な研究を行い、これらの影響を減らすための緩和戦略を作成するためには、自然現象の迅速な検出と詳細な分析を行う必要があります。オープンアクセスのNASAの地球観測データは、これらの災害とその影響を監視するためによく使用されます。機械学習を用いたモデルは、研究者が危険な気象状況を迅速にマッピングし、その影響の強度と範囲を評価するのに役立ちます。

NASAは、自然現象の検出と追跡に使用できる衛星リモートセンシングデータを大量に生成します。ただし、現象の多くは、これらの膨大なデータアーカイブ内で自動的に検出または追跡されません。よって、研究者は現象の発生についてペタバイト単位のデータを手動で検索するという途方もない作業を余儀なくされます。

あなたのチャレンジは、興味深い現象をひとつ選択し、衛星データからその現象を自動的に検出する機械学習モデルを開発することです。そして、検出された現象を表示するだけでなく、補助的なデータと共にレイヤー化して、研究者や意思決定者が現象の影響と範囲をよりよく理解できるようにする、Webアプリケーションやツールなどのビジュアルインターフェイスを開発します。

考慮項目の例:

  • このチャレンジのページのリソースタブでは、モデルのトレーニングに使用できる現象と適切な衛星データの両方を選択するのに役立つ情報が用意されています。たとえば(必須ではありません)、補助データの場合、人口データと一緒に煙の検出を可視化したり、洪水の検出と共にリスクのある人口における病気の発生を重ねたりすることができます。
  • 可視化する際には、まず最初に、現象の検出を地図上に表示できることを確認してください。次に、検出された現象の範囲と影響を明確にする追加データのレイヤーを作成します。農業、脆弱な人々、または経済への影響など、社会的に関連性のある方法で影響を受けうるセクションにアプローチします。レイヤーに追加したデータが、検出に関する研究者の理解にどのような付加価値を提供するのか考える必要があります。このチャレンジのページのリソースタブには、そういった付加価値を提供しうるデータの例があります。
  • 地球科学における機械学習は、データ自体によって妨げられることがよくあります。トレーニングの前にデータを拡張する方法を検討する場合があります(必須ではありません)。たとえば、地球の表面の特徴を検出するときに衛星画像から雲などの不要な特徴を削除したり、スタイル変換により一つのモデルから複数のデータを使用できるようにしたりします。このチャレンジの主な焦点は現象の検出と視覚化であるため、データの拡張はボーナスタスクと見なしてください。

SpaceApps2020 翻訳 B-1) 炭素の足跡 / What is our Carbon Footprint?

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原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/inform/carbon-footprint/details

概要:

あなたのチャレンジは、二酸化炭素の供給源と吸収源をマッピングしようとしている科学者を助けるために、地域の二酸化炭素排出源を特定し、様々な人間活動からの二酸化炭素大出量を推測することです。変化している世界に適応しようとする決意を伝え、未来への計画を作る政策決定者を助けることは、どうすれば出来るのでしょうか?

背景:

二酸化炭素、メタン、およびその他の温室効果ガス(GHG)は、過去、現在、および将来の気候に大きな影響を与える世界の放射線収支への重要なインプットです。これらのガスは、大気、海洋(炭素ガスの溶解による)、植物(光合成と呼吸による)の間で交換されます。これらのガスはまた、化石燃料の燃焼、農業目的での土地の開墾、食料の生産と消費、商品・材料・建物・道路の製造などの人間の活動、および運輸部門によって排出されます。

特定の人間の活動によって大気中に放出されるGHGの量は、カーボンフットプリント(「CO2の算出」)として知られています。このフットプリントは、個人、家族、組織またはグループ、あるいは国全体で定義できます。カーボンフットプリントは通常、メタン(CH4)やその他の温室効果ガスを相当する量の二酸化炭素(CO2)に変換して、CO2の重量(トン)として測定されます。人間活動による世界規模のカーボンフットプリントはリモート測定によりよく知られています。しかし、関係者間の複雑な相互作用に関する知識や「現場」のデータやが不十分なため、地域~国レベルでのカーボンフットプリントははるかに不確実です。

現在、多くの衛星が CO2やCH4を観測しており、将来的にはさらに多くのプラットフォームが展開される予定です。発電所天然ガスの操業、大規模な森林破壊や森林火災などのGHGのローカルな排出源は、衛星からのGHGデータを使用して検出できます。最近の研究では、これらの排出源のうちのごく一部からの排出量が定量化されていますが、これらの事例研究はまだ共通の枠組みが出来るほど一般化されてはいません。二酸化炭素排出源にはそれぞれ固有の特徴があり、調査できる発生源は他にもたくさんあります。

あなたのチャレンジは、1)発電所、交通、火災、森林破壊イベント、石油/ガスの抽出および処理活動など、GHGの地域の発生源を特定すること、2)これらの地域~国レベルでの活動の二酸化炭素排出量を定量化すること、3)市民にその二酸化炭素排出量を認識させることです。あなたのプロジェクトは、世界が私たちの地球システム上の人間の足跡をよりよく理解し、気候の傾向を特定し、および/または将来の変化を予測する地球システムモデルを開発およびテストするのに役立ちますか?政策立案者が脱炭素化の方針と行動の有効性を評価し、国の排出インベントリを検証し、および/または温室効果ガス排出削減の公約を満たすための進捗状況を追跡するのを支援できますか?

考慮項目の例:

  • 排出源のカーボンフットプリントを計算するために、視覚化またはインタラクティブなアプリケーションを作成することを決定できます。さまざまな人間の活動の二酸化炭素排出量に関する教育メッセージを効果的に提示しながら、視覚化を可能な限りインタラクティブでユーザーフレンドリーに保つ機能はありますか?
  • カーボンフットプリントの計算法の背後にあるデータの質やロジックに関する文書や可視化のための手がかりを提供することができます(必須ではありません)。
  • アプリケーションプログラミングインターフェイスAPI)を提供して、他の人があなたのデータを他のデータと組み合わせることができるようにすることができます。
  • 宇宙機関からのデータを使用しなければなりません。可能な場合は、地上局やその他のセンサーからデータを取得することもできます。さらに、国内または世界の在庫からの排出量データを使用することができます。
  • 研究と新しいデータストリーム、または様々なソースからの地理空間データを統合して、革新的なサービスを一般に提供するにはどうすればよいでしょうか。
  • 衛星データには考慮すべき欠陥がある可能性があるため、単一の測定値だけを信頼しないでください。衛星データの意味とさまざまなソースからのデータ品質の違いについて、一般の人々の理解をどのように高めることができますか?
  • 光学画像(Landsat可視画像、MODISなど)と微量ガス測定(OCO-2 / 3、GOSAT / -2、TROPOMIなど)を組み合わせたプロジェクトが最も役立ちます。複数のデータセットからの情報を組み合わせるプロジェクトは、単一のデータセットに焦点を当てたプロジェクトよりも有益です。
  • 科学者や政策立案者にとって最も役立つために、排出量の推定値には、ユーザーがそれらをどれだけ信頼すべきか(つまり、推定値に関連する不確実性)を含める必要があります。
  • あなたのプロジェクトが提供する情報を科学界と政策界の両方がどのように使用して、地球システム上の人間のカーボンフットプリントをよりよく理解し、気候変動へのさらなる貢献を減らすことができるでしょうか?

SpaceApps2020 翻訳 A-4) 指先の地球 / Home Planet at Your Fingertips

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SpaceApps2020 翻訳 A) 観測せよ / Observe - SpaceApps Japan ブログ
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原文 https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/observe/planet-at-your-fingertips/details

概要:

私たちが住むこの星を観測してきたNASAの地球データを発見し、可視化し、分析するユーザーフレンドリーなアプリケーションやツールを開発してください。

背景:

長年にわたり、NASAは数多くの地球観測衛星を打ち上げ、天気や気候といった地球の状態を全球規模で監視してきました。しかしながら、衛星データの選別・処理・分析は科学者にとってすら非常に面倒な仕事となりえます。ユーザーフレンドリーなツールやアプリはNASAのデータのユーザーのすそ野を広げ、社会の利益を最大化し、次世代が科学やその応用へと進むモチベーションとなりえます。

あなたのチャレンジは、ユーザーが地球を監視し、日々の暮らしを向上させる助けとなる様に、NASAの地球観測データの発見し、可視化に挑戦できるツールやアプリを開発することです。

考慮項目の例:

  • 例(必須ではありません)として、地球を監視するユーザーが気になる地域と現象の種類を選択したら、信頼できる宇宙機関のデータやモデルを提示する方法があります。提示される情報は洪水のような自然災害や天気、気候、伝染病の感染、農業など様々なものが考えられます。あなたのプロジェクトでは、ユーザーがこれらのデータを宇宙機関から取得・統合・分析・可視化できるようにします。

  • アプリの根幹はユーザーが欲しい地球科学データを探す手伝いをする機能であるべきです。手法としては、アンケートの回答から信頼できるNASAの地球データセットを提案したり、データを簡単に発見できるユーザーフレンドリーなディレクトリシステムを構築したりすることが考えられます。例えば、あるユーザーが自分の住む地域の雨の状況を監視したいとしたら、IMERGE(GPM(全球予測値)のための多衛星による統合的な測定値)の様なNASAの全球予測のデータセットに案内します。

  • 上級者向けの可視化項目(必須ではありません):

    • 地理的位置情報の入力(郵便番号、国、州、郡、流域、大陸、全球)
    • NASAのデータセットを選択
    • データセットやそのパラメータを可視化
    • 自動更新によるモニタリング
  • 多言語対応はできますか?モバイル向けですか?(より広い画面の)デスクトップ向けですか?異常値の検出や通知の設定など、データ分析や時系列データの表示などをどう行えますか?

  • 組み込む機能の例(必須ではありません):

    • 欲しいNASAの地球データセットが簡単に見つかる機能
    • 見つけたデータセットへ簡単にアクセスする機能、またはその方法を提示する機能
  • 上級者向け機能の例(必須ではありません):

    • 環境モニタリングのセットアップのデモ
    • 実在するNASAの情報源からデータや画像を取得するデモ
    • 画像化や時系列表示といった基本的な可視化やデータ分析のデモ
    • 次回以降での使用のために取得したデータを保存するのデモ
    • 異常値やイベント検知といった上級のデータ分析を行い、閾値を超えた場合に通知を送信する

注:現在NASAのWorldViewは、NASAのデータセットや比較対象の単体/複数レイヤーでの可視化に限定されています。現状ではモニタリング用途でのカスタマイズには向きません。また、画像のみを取得しているので、各ピクセルの物理量などは非公開または準備されていません。よって現在、WorldViewはデータ分析能力を持ちません。しかしながら、GIBS APIといったWorldViewを支えるシステムはこのプロジェクトに有用です。上記の制限をどうすれば乗り越えられるでしょうか?

SpaceApps2020 翻訳 A-3) HEASARC!何見てるの? / Hey HEASARC! What are you looking at?

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SpaceApps2020 翻訳 A) 観測せよ / Observe - SpaceApps Japan ブログ
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https://2020.spaceappschallenge.org/challenges/observe/hey-heasarc/details

概要:

「高エネルギー天体物理科学アーカイブ研究センター」(The High Energy Astrophysics Science Archive Research Center, HEASARC)は、重力波検出やガンマ線バースト超新星といった極端な高エネルギー宇宙現象からの電磁放射を調べるNASAの様々なミッションからのデータの第一のアーカイブです。あなたのチャレンジは、このような宇宙現象に興味を持つ人々がデータに早く簡単にアクセス出来るよう可視化するツールを創ることです。

背景:

人間は原初より答えを求めるために空を見上げて、そして望遠鏡は何百年もの間、より良い絵を撮るのに役立ってきました。現在、地上と宇宙の両方に望遠鏡があり、テラバイトをゆうに超える量のデータを提供して、宇宙、星、惑星などの形成に関する貴重な情報を提供しています。この種の情報のそのようなリポジトリの1つが、「高エネルギー天体物理科学アーカイブ研究センター」(HEASARC)です。これは、非常にエネルギーの高い宇宙現象からの電磁放射を研究するNASA(および他の宇宙機関)のミッションの主要なアーカイブです。もう1つの潜在的な優れた情報源は、カナダ天文学データセンター(CADC)です。これは、12を超えるさまざまな望遠鏡のデータプロダクトを含むアーカイブです。

HEASARCデータは、イベントに至るまでの母天体の振る舞いの履歴を復元できるため、多くのエキサイティングな天文学イベントを調べる際に特に重要視されます。たとえば、レーザー干渉計重力波観測所(LIGO)が重力波イベントを検出した場合、科学者は、重力波源がどのように見え、イベントの前後数時間または数日でどのように振舞っていたかを知る必要があります。母天体の過去の振る舞いが重要な手がかりを提供するイベントの他の例には超新星ガンマ線バーストがあります。これらの現象では、研究者は、特定の時間範囲内にその天体に関する利用可能なすべてのデータにすばやくアクセスして、母天体と現象について可能な限り学習する必要があります。

CADCには、地上と軌道上の両方のさまざまな望遠鏡からのデータが含まれています。特に興味深いのは、Near-Earth Object Surveillance Satellite(NEOSSat)です。この小型衛星は、彗星、小惑星、さらには太陽系外惑星のトランジットの定期的な画像を撮影します。彗星と小惑星をよりよく理解することは、惑星と太陽系の形成を理解する上で基本的な役割を果たします。さらに、彗星や小惑星の軌道についてのより良い知識は、私たちが近い将来にそれらとの衝突コースにいないことを確認し、私たち自身を安心させるのに役立ちます。

HEASARCとCADCは、科学者が情報にアクセスするためのすべてのデータといくつかの強力なツールを提供しますが、あなたのチャレンジは、これらのデータの魅力を広げ、ユーザーがモバイルやWebインターフェイスなどを介してより簡単にアクセスできるようにすることです。高エネルギーミッションが現在見ている空域、または地球の近くの小惑星が交差している星座を表示する視覚化ツールまたは他のアプリケーションを作成することによって、他の人がデータを理解するのを助けることができますか?ツールには、過去または特定の時間範囲で観察されたものを表示する方法も含めることができますか?

考慮項目の例:

現在観測している高エネルギーミッションをどのように効率的に示すことができますか? NASAの多くの異なる軌道を回る天体物理学衛星によって現在観測されている空の領域をマークするインタラクティブな天球上に表示すると良いかもしれません。ユーザーがズームインして詳細を表示できるようにするにはどうすればよいですか? 天体物理学のミッション、指定された視野ズームとの座標、および/または時間範囲の選択をどのように許可できますか?これらは、重力波の検出、ガンマ線バースト超新星などのイベントにつながる母天体の振る舞いを研究するためのデータセットを見出すのに役立つ可能性があります。 ユーザーが波長を自由に選択し、さまざまな波長で星図を表示できますか? -Webツール(ブラウザなど)またはモバイルユーザーインターフェイスを開発してもいいでしょう。使いやすさを考慮する必要があります。既存の星図の可視化ツールを手本としたり、自由に利用できるウィジェットを使用するのもありです。しかし、最終的な結果は、シンプルで直感的、そしてユーザーフレンドリーでなければなりません。 ツールに含めることができるHEASARCミッションはいくつですか?他のNASAミッション(スピッツァーハッブル宇宙望遠鏡など)を含めることもできます。 私たちの宇宙の高エネルギー源の性質を理解するためには、空間的情報と時間的情報の両方が非常に重要です。対象の天体について最もよく学ぶためには、できるだけ早くデータにアクセスして、母天体の減光や変化を調べることが重要です。